2014年10月7日火曜日

10月1日〜3日釜石レポート(岩渕)

昨年より「音楽の種まき」というテーマを持って釜石でのプロジェクトがスタートしています。活動のコンセプトは、これまで楽器や歌に接する機会のなかった方々を対象にしての音楽レッスンの定期的開催です。このプロジェクトは釜石や山田町を中心にして支援活動をしていらっしゃる「いっぽいっぽ」の活動のひとつとして、LEの企画共催の形で進められています。

昨年末にはウクレレコンサートを開催して、ウクレレに親しんでいただく機会を持つ事ができましたが、そこでの出会いがきっかけとなり、今回定期的なウクレレの集いを開催することが正式に決まりました。

さてここで今回の活動レポートをさせていただきます。初日の1日(水)は新幹線と在来線を乗り継いで約6時間程かけて午後2時前に小佐野駅に着きました。小佐野駅は釜石のひとつ手前の駅で「いっぽいっぽ」のボランティアセンターの最寄り駅です。

ここで「いっぽいっぽ」の責任者の高橋先生にピックアップしていただき、早速最初のコンサートを予定している小川地区サポートセンターへ向かいました。





サポートセンターではスタッフの方々が常駐していらっしゃるので、仮設での暮らしも少しは安心だそうです。釜石ではサポートセンターを設けている仮設住宅は3カ所とのことでした。

夜にはボランティアセンターを会場にウクレレの集いが準備されていました。昨年12月から諸事情によりなかなか開催できずにいたこの集いが始められることは喜びですが、いったい何人の方が集って下さるのかが未知数でした。とにかくひとりでもお出でくださったらやりましょう、ということでしたが、時間になると3人の方々が来てくださいました。さらにボランティアでいらっしゃっている方々も加わって、にぎやかで楽しい時間になりました。




約2時間程ワイワイと簡単なウクレレのレッスン?をしましたが、終わってもみなさんがお帰りになる感じがありません。そしてひとりの方が「ぜひ定期的にウクレレを教えて欲しい」という要望が出されました。そしてその場で2週間に1回高橋先生がリードしてのウクレレの集いを持ち、3ヶ月に1度のペースで岩渕がレッスンをしに伺うことになりました。10月1日は「音楽の種まきプロジェクトが」具体的に動き始めた記念日となりました。

さて2日目の午前中は小槌第12仮設住宅でのコンサートです。こちらのみなさんは手先の器用な方が多いらしく、手作りのものが沢山飾られていました。



小槌地区は大槌町にあります。山を挟んで大槌地区と小槌地区とに分かれているそうです。皆様ご存知の通り大槌町は街全体が壊滅状態になった町です。現在も多くの方々が避難生活を余儀なくされています。





小槌でのコンサートを終えてすぐに私は山田町へ向かいました。「いっぽいっぽ山田」のカフェでのコンサートのためです。こちらのカフェは津波ですっかり様相が変わってしまった山田の駅前に位置しています。もちろん駅舎も町も壊滅状態です。ちょうど今カフェの回りが工事中で重機の音が響く中でのコンサートでしたが、みなさん最後まで耳を傾けてくださいました。






この日は午後のコンサートで予定を終えて釜石へ戻りました。山田と釜石は車で30分程の距離です。途中に吉里吉里、大槌、子供達が「津波てんでんこ」の教えに従って逃げて助かった鵜住居地区があります。

最終日の3日はボランティアセンターから近い山田仮設住宅でのコンサートです。こちらは集会室ではなく普通の仮設住宅を集会場にしたこぢんまりとした会場でした。



壁にはこれまで訪ねてこられたボランティアの方々の寄せ書きが沢山貼られていました。



コンサートも終えてさあお茶でもというタイミングで、男達はグランドゴルフをしよう、ということになりました。以前から手作りの道具でグランドゴルフをしていたとのことですが、いっぽいっぽを通してグランドゴルフの道具が提供されたこともあってとても盛り上がっているようでした。私も誘われるままに初めてのグランドゴルフにチャレンジをしました。



このコースは仮設の間の舗装された通路ですが。ほとんどは小石の沢山ある空きスペースでのプレイでした。仮設のリーダーの方がこうおっしゃいました「こういうでこぼこの所でやれば、上手いも下手もないからいいんだよ」。以前は点数を付けたこともあったそうですが、それは止めてイレギュラーだらけのグランドゴルフを楽しんでいらっしゃるとのことでした。


この写真は何度も一緒にビリを競った方とのツーショットです。この方は漁師であり大工さんでしたが、海の仕事はなく、大工道具も流されてしまって、ずっと仕事ができない状態にあるそうです。どこかに眠っている大工道具がないかなと素人の私は思ってしまいました。

コンサートを終えて釜石を後にする時間がきました。小佐野駅のホームに立つと夕立のような雨が降ってきました。


後ろをふりかえると小さな虹がかかっていました。


次に釜石を訪ねるのは年明けの1月に なると思います。釜石でのウクレレレッスンが仮設の皆さんの訪問ができるようにぜひ皆様のご支援をお願いいたします。そしてぜひみなさんも釜石を訪問してください。釜石、大槌、山田の方々がみなさんを待っています。