2016年1月27日水曜日

2016年1月の釜石と山田での活動報告

 昨年の九月から大分時間が過ぎましたが、1月22日(金)から25日(月)まで「一般社団法人 いっぽいっぽ岩手」さんのコーディネートで、釜石と山田を訪ねることができました。昨年末に今年1年間の訪問予定を組みました。まずは今回の1月、そして4月、7月、10月の4回を予定しています。40年に1度の寒気に見舞われるとの中でしたが、今年の第1回目の訪問を滞りなく終えることができました。東北応援団 LOVE EASTの支援者の皆様に心からの感謝を込めて、今回の活動の報告をさせていただきます。



 22日(金)は朝7時半に自宅を出発しまして、いっぽいっぽの釜石ボランティアセンターの最寄駅、小佐野のに着いたのが13時46分です。駅にいっぽいっぽの高橋代表が迎えてくださって、そのまま小川地区サポートセンターへ向かいました。小川は「おがわ」ではなく「こかわ」と呼びます。こちらに伺うのは4回目とあって大分顔見知りを多くなっています。しかし隣接する仮設住宅の方々の復興住宅への引っ越しなどに伴い、コンサートに来られる方々の人数は以前に比べれば少なくなってきています。しかし違う見方をすれば、この方々は依然として仮設暮らしを余儀なくされていらっしゃるわけですので、コンサートの必要性や意味合いもその時々に変化していると感じました。

小川地区サポートセンターにて(いっぽいっぽさんのFBの画像より)
 
 今回伺うに当たって二つの曲を作ってきました。ひとつは「この街で」というタイトル、もうひとつは「ありがと音頭」という曲です。これまでに宮城、福島で何度も歌ってきましたが、三陸に来て驚いたのはコンサート中に踊り出す人がいるということです。それも一箇所ではなくあちらこちらで踊る方がいらっしゃるんです。踊り出す曲は「スマイル」という私のオリジナルなのですが、特徴は跳ねるリズムのシャッフルです。ブルースもシャッフルですし、阿波踊りもシャッフルですから、シャッフルは人が好む自然なリズムなのかもしれません。

というわけで「音頭」を作ろうと思い立ったわけです。歌詞はこちらです。

やさしさをありがとう あなたにありがとう
心からありがとう 重ねてありがとう
さあ心を躍らせ歌います ありがと音頭を歌います
あなたもわたしも声合わせ さあ手と手をつなぎましょう
さあ手と手をつなぎましょう

2番、3番は「やさしさ」を「ほほえみ」と「この歌」に置き換えて歌い、最後の「手と手をつなぎましょう」のところはそれぞれ「ほほえみつなぎましょう」「この歌つなぎましょう」となります。

小川で最初のお披露目なので内心どんなレスポンスになるか心配していましたが、ちゃんと踊りが出て、皆さんが手と手をつないで一緒に歌ってくださいました。「ありがとう」「ほほえみ」という言葉が歌にのせて口に上る時に、会場全体になんとも言えないあたたかさが染み渡っていきました。その皆さんの姿を見ながら「作ってよかった」と胸を撫で下ろしていました。

踊りが始まりました(いっぽいっぽさんのFBの画像より)

 サポートセンターでのコンサートを終え、夕方からはボランティアセンターでのウクレレ会です。今回は9月に伺った時に歌った「オーシャンゼリゼ」の釜石版をみなさんが練習されていて、みなさんでそれを披露してくださいました。今回は初めてお会いする方もいらっしゃって、少しずつウクレレ会の輪が広がっているようでした。やはりウクレレという楽器は人の心をあたためてくれる素敵な楽器だなと思いました。ウクレレ会でも「ありがと音頭」をみんなで弾きながら歌いましたが、これまた良い味が出ていました。ちょうど持参していた「クレイジーG」というウクレレを弾く人ならば誰でも弾いている定番曲の譜面もお渡ししてウクレレ会を終えました。私は数ヶ月に1回の参加ですが、普段は高橋代表のリードで2週間ごとに開催されていますので興味のある方は気軽に参加してください。


みなさん熱心に取り組んでいらっしゃいます

 23日は午前中に山田のカフェでのコンサートです。寒波が迫っていてとても寒い中大勢の方々が集ってくださいました。

いっぽいっぽ山田のカフェ、背後は土盛りの工事です。

少しづつみなさんがお出でになります

そしてカフェいっぱいに集ってくださいました

 今回はこれまでにも増してみなさんがコンサートを心待ちにしていてくださっていることを感じました。これは継続して伺う機会が与えられているからこそだと思います。少しづつですがお互いの信頼関係が結ばれてきているようです。みなさんの仲間に迎えてもらうことができているようです。帰り際に「ありがと音頭」の楽譜が欲しいという方がいらっしゃったので差し上げました。さっそく何人かの方が「ありがとう〜」と歌い始めていました。

新曲の譜面

早速ありがと音頭の練習です

 コンサートを終えるとそのまま釜石への移動です。釜石では「アミーガはまゆり」という公営の特別養護老人ホームです。仮設住宅ではなくて老人ホームで支援活動?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、被災した地域ではみなさんが被災者なのです。もちろん被災の度合いはそれぞれ違いがありますが、家を失った方、命からがら逃げた方、家族を亡くした方、などが暮らしていらっしゃいます。デイサービスでこられた方も含めて70くらいの方々がいらっしゃったでしょうか。ここでも「ありがと音頭」は大変な人気でした。

アミーガはまゆり

 24日は40年ぶりの大寒波ということで釜石でも朝からかなりの雪が降っていました。釜石ボランティアセンターのスタッフやボランティアに来ていらっしゃる方が早朝から雪かきに汗を流していました。僕も手伝わなくては思いつつも、雪かきをしたら歌えなくなるなあと思い、それは思いとどまりました。

 24日の予定は午前中に山田のカフェでの礼拝で歌うことと、午後に同じく山田のカフェで三陸で支援活動をなさっている方々対象のコンサートでした。雪が降りしきる中、山田に到着すると、「この雪では午後のコンサートが難しいので急遽中止となりました」との報告を受けました。東北といっても太平洋側の海沿いはあまり雪が積もることはないので大事をとっての事だとおっしゃっていました。礼拝後は急遽釜石のボランティアセンターでのミニコンサートのリクエストが入り、急いで釜石へ戻り、2時間ほど和やかな時間を持ちました。その後何人かのみなさんと夕食をご一緒しながら今後の活動の可能性について意見を交換する事も出来、とても有意義な1日となりました。

 最終日の25日は天候も回復して明るい青空を見ることが出来ました。しかし気温は大分低かったように思います。最終の予定は午前中に釜石市桜木地区の仮設住宅での「おちゃっこ」です。「おちゃっこ」の「おちゃ」はもちろん「お茶」のことです。2時間ほどお茶を囲んでの会話を楽しんだり、歌ったりというプログラムです。

仮設生活はもうすぐ5年目になります

いっぽいっぽの集まりだからいらっしゃる、という方も少なくありません。

 こちらでは仮設住宅の入居者減少に伴ってふたつのブロックがひとつに統合されたとのことです。その為に住まいの変更を余儀なくされた方々は、再び慣れない仮設での暮らしが始まり人間関係に悩んでいらっしゃるケースも少なくないようです。あちらこちらで少しでも快適に生活をすることができるコミュニティー作り課題となっているようです。
 ある方はこれから2年はこのままの仮設暮らしが続くとおっしゃっていました。この仮設の壁は金属のようなものでできていて、断熱が不十分なので暖房がなかなか効かないとのことでした。このような暮らしの細部のことは実際に足を運んでみないとわからないことですね。

 釜石のウクレレ会の皆さんは毎回参加費を集めて、それを「東北応援団 LOVE EAST」のためのカンパにしてくださっています。今回も心のこもったカンパをお預かりして小佐野駅から帰路につきました。次回は4月に夫婦で伺う予定にしています。みなさんとはそれまでしばしのお別れですが、今回は「さようなら」というよりも「行ってきます」という挨拶が似合う間柄になってきたなと感じました。

 3月にはホノルルの皆さんがチャリティーの会を開いてくださるという知らせも入ってきています。東北のことを心にかけていてくださる方がいらっしょることが本当にありがたいです。今回も秋のアメリカでのチャリティーコンサートのことを皆さまにお伝えした所、皆さんが拝むような仕草で「ありがとう」とおっしゃっていました。

これからも東北応援団 LOVE EASTの活動をご支援いただきますようよろしくお願いします。

岩渕まこと




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