2017年3月21日火曜日

3月10日から13日の釜石訪問レポート



今回の釜石訪問は思いがけないことから始まりました。それは1月に釜石へ向かうJR車内で当初より支援活動をなさっている釜石AG支援センターのスタッフの方との出会いでした。その場で3月11日に釜石AG支援センターでのコンサートに来てもらえないかとの打診があり、ちょうど予定が空いていたので即決となりました。その後せっかく釜石へ伺うのですから前後をいつものようにウクレレ会や社会福祉協議会主催の復興住宅集会所でのミニコンサートができたらと考えました。そしてAG支援センターの許可をいただき高橋和義牧師にお願いして前後に予定を入れることになりました。
そこで今回は以下のような活動をいたしました。

10日(金) 只越3号復興住宅住民交流会
       ウクレレ会

11日(土) AG支援センター 復興支援コンサート

12日(日) 只越1号復興住宅住民交流会
       3.11岩手教会ネットワーク記念集会(北上教会)

13日(月) 大町2号復興住宅住民交流会  

釜石AG支援センターでのコンサートは発災日の3月11日で、なおかつ仏教での七回忌ということもあり、特別な集会があちらこちらで持たれていましたが。会場いっぱいのお客様が集われました。午後1時から約1時間半のコンサートの後にCDプレゼントなどの楽しい時間も持たれました。発災時刻の2時46分にはみなさんと共に黙祷を捧げました。街にはサイレンや鐘が鳴り響いていました。


ウクレレ会は毎月2回のペースで継続されていて、今回はみなさんで練習してきた「なだそうそう」を聴かせていただきました。ウクレレ会では毎回会費をプールしていて東北応援団 LOVE EAST のために支援金として手渡してくださっています。そしてウクレレ会自体は参加者の皆さんの自主的な活動として定着してきています。こちらから提案させていただいた働きが地元の方々にバトンタッチされていくことはとても嬉しいことです。そしてこれこそが支援活動の大切なポイントだと考えています。




また今回は復興住宅住民交流会へ3回参加してミニコンサートをさせていただきました。




復興住宅は都市型のマンション構造ですので、ご近所との交流のきっかけがなかなかありません。エレベーターで誰かに会うことも稀で、出会うとお互いに驚いてしまうという状態です。しかし小規模の復興住宅でも20数世帯が住んでいらっしゃるわけですから、町内会程度の組織を作らないと行政との連絡やいざという時の対応もできません。そんなわけで現在釜石社会福祉協議会の復興支援部門で不定期ですが交流会を開き、そのきっかけ作りをされているわけです。高橋和義牧師は昨年から社会福祉協議会の在籍してコミュニティー作りに邁進されています。今回もそのお手伝いができたことを心から感謝しています。特に今回は音楽の持っている力を再確認させられました。それは集まってくださった方々に歌を聴いていただいたり、一緒に歌ったりしているうちに、皆さんがみるみる生き生きとされたからです。高橋和義先生も「これからが本当に音楽の出番かもしれない」とおっしゃっていました。

実は復興住宅住民交流会に参加されていた方からこんなお話を伺いました。それは釜石地方で津波が来る時の逃げ方として有名な「津波てんでんこ」に関してでした。この言葉の意味は津波が来る時には互いに助け合わずにそれぞれでとにかく避難するということです。今回もそれで多くの方々の命が救われました。しかし今回伺ったことは「小さな集落、コミュニティーで生活している者にはそれができない」ということでした。もし幸いに津波が襲ってこなかったとしても、その後に「あの人は私を置いて逃げた」ということだけが残ってしまう、ということでした。今回その方の集落では何人かの方々が亡くなったそうです。今でもそのことの責めがあって、元の地域には戻れないので離れた場所での復興住宅住まいをしているということでした。身体の弱い方やお歳を召された方々にとって津波てんでんこは「あきらめなさい」ということと変わりがないのかもしれません。それでも津波てんでんこによって大勢の命が助かることは事実ですから、行政がもう一歩踏み込まなければいけないことを思いました。ある意味精神的な難民状態に置かれているわけですから。

復興住宅住民交流会はコンサートというわけではありませんので、何人の方が参加されるのかは始まるまでわからないとても地味な活動です。しかしそこで生活されている方々にとってはこれからの暮らしに関わる数少ないきっかけのひとつです。高橋和義牧師は牧師でありながら社会福祉協議会の中で仕えるという特別な働きをなさっています。しかしそのおかげで私も復興住宅の方々の新たな、そして大切な、コミュニティー作りに関わらせてもらうことができています。そしてこのことを心から感謝しています。次回は夏の初めに伺えたらと考えています。今後も”東北応援団 LOVE EAST ”の活動のための皆様からのご支援をよろしくお願いいたします。    

岩渕まこと

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<応援献金・支援金の送り先>

りそな銀行 立川支店 普通 1923230 口座名義「東京ワーシップ企画」

事務局が兼務している都合上、「東京ワーシップ企画」名義になりますが、
頂きました献金は、すべて東北応援団への支援献金としてて用いさせて頂
きます。

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